第三章ではGAFAではなく、台頭するディスラプターを紹介しています。
ディスラプターとは英語でDistruptor 、破壊的企業のことをいいますが、クラウドやビッグデータ、IoT、AIなどのテクノロジーを最大限に活用して、既存の業界の秩序やビジネスモデルを、破壊する会社を意味します。
それらの会社にはこれらの特徴があるとスコット・ギャロウェイは分析しています。
・人間の本能に訴えかける
・キャリアの箔付けになる
・成長とマージンのバランス
・ランドル ランドルとは定期的な売上をもたらしてくれる商品やサービスの集まり
・垂直統合
・ベンジャミン・バトン製品 これは年が経るほど若返る製品やサービスのことを指します。
・ビジョンに満ちたストーリーテリング
・好感度
本書では業界ごとにディスラプターをリストアップしています。
・観光・ホテルのエアビーアンドビー 社
この会社は所有もメンテナンスもせずに遊休資産の収益化を実現しました。上場すれば、観光・ホテルの分野で最も価値のある企業になると本書は予想しています。
・寝具のブルックリネン社
スコット・ギャロウェイの教え子が設立した会社。サプライチェーンを簡素化して。優れた製品にさらに高い価値を付加して提供しています。
・旅行のカーニバル社
ポスト・コロナで世界で注目すべき企業。コロナ禍で大きな打撃を受けたが、生き残れば株価は3倍になると予想しています。
・保険のレモネード社
サプライチェーンのデジタル化で高い流通費を削減し、AIを使ってリスク評価の精度を上げることで損害率を低下させた保険会社です。日本で言えば、テレビコマーシャルでおなじみのライフネット生命に近いビジネスモデルですね。
・動画配信のネットフリックス社
この会社は自分の家のリビングルームから映画の100倍の価値へオンデマンドでアクセスできるサービスを提供しています。スコット・ギャロウェイは2011年にこの会社の株を12ドルで購入し、10ドルで売却した後、2020年に500ドル前後で推移していることを本書で後悔しています。
・医療のマン・メディカル社
この会社はスマートフォンでリモートで医療サービス提供するビジネスモデルを追求しています。
・フィットネスのペトロン社
この会社の会員数は100万人に近づき、定着率はネットフリックス、アマゾンプライム並の93%に達しています。
・金融のロビンフッド社とパブリック社
ロビンフッド社は株式投資アプリのビッグネームで、取引き手数料をゼロにしました。パブリック社は自社アプリを株取引のできるソーシャル・ネットワークを提供しています。
・音楽のスポティファイ社
この会社には定期的な売上があり、本書でいうベンジャミン・バトン製品を持っています。著者はネットフリックスとの合併し、スマートスピーカーのソノス社を買収して垂直統合することを薦めています。
・自動車のテスラ社
テスラを買うことは究極のステータスシンボルであると同時に、自分はイノベーターであることをアピールできるとスコット・ギャロウェイは語ります。テスラはコロナ禍で最大の恩恵を受けた会社の一社であることは間違いありません。
・SNSのツイッター社
スコット・ギャロウェイは自身が株主であることを自白しています。そしてツイッターが占めている空間をきちんと支配することが出来たら1000億ドル企業になるだろうと本書で予想しています。最近、テスラが一度キャンセルしたこの会社の買収を改めて表明しましたね。
・配車サービスのウーバー社
この会社の優位性はコストを変動費化できることにあります。
・メガネのワービーパーカー社
この会社には素晴らしいストーリーがあるとスコット・ギャロウェイは語ります。
・シェアオフィスのウィーワーク社
コンセプトは申し分ないが適正な規模が必要であると著者はアドバイスしています。
・SNSのティックトック社
素晴らしい製品を所有している会社で将来の見通しは明るいと著者はみています。
・大学
最大の獲物という表現で、最後に大学を挙げています。アメリカで何より大きくて動きの鈍いものといえば、大学とこの章を締め括っていますが、著者はこの分野にディスラプターが将来、現れることを示唆しています。